2022年10月24日に『かいけつゾロリ』がギネス世界記録「同一作者によって物語とイラストが執筆された単一児童書シリーズの最多巻数」に認定されました。翌月24日には作者・原ゆたかに公式認定証が授与され、原は「夢のような事が起こってしまいました。」と驚きのコメントを述べました。
今回はそんな話題となっている児童書に注目し、児童書 おすすめを年代別に紹介していきます。
【0歳~】
①『いない いない ばあ』松谷みよ子
乳児でも、子どもの成長に繋がる本はあります。その中で最も手を伸ばしやすい本が『いない いない ばあ』です。「いないいないばあ!」と遊びながらの延長で読み聞かせをすることができます。
②『だるまさんが』かがくいひろし
「だ・る・ま・さ・ん・が・・・」とリズミカルに読んでいき、間を取ってから次に進むことで子どもは喜びます。間を十分にとることで次の進展への期待感で絵本に対する集中力が高まります。
③『だいくとおにろく』松居 直
起承転結がしっかりとなっているため、メリハリのある明確な物語です。大工と鬼の緊張感のある会話にハラハラ・ドキドキしながら読むことができます。
【小学低学年~】
④『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット
どうぶつ島に捕まって逃げられない竜の子どもの話を野良猫から聞いた9歳のエルマーという少年が助けに行くという物語。エルマーが恐ろしい動物に立ち向かうために準備した輪ゴムやチューイングガム、歯ブラシなどを使って知恵と勇気で立ち向かうところが見どころです。
⑤『ねこと王さま』ニック・シャラット
お城をドラゴンによって燃やされてしまい、町の小さな家で暮らすことになった猫と王様の話。王様思いの賢い猫のユーモラスで心温まる作品です。
⑥『かいけつゾロリ』シリーズ 原 ゆたか
いたずら王者を目指して修行しているゾロリと、その弟子・イシシとノシシと共に冒険する物語。たくさん失敗しても前向きなゾロリは子どもたちのヒーローです。かいけつゾロリ 本の中ではキャラクターが沢山登場するため、主人公のゾロリはもちろん正義感あふれるビートや、ゾロリの母・ゾロリ―ヌといった人気キャラクターもいるほどの人気作品です。
【小学高学年~】
⑦『子どもしかいない世界での2分間の冒険』 岡田 淳
体育館をぬけだして、ふしぎな黒ネコに出会った小学6年生の悟。その黒ネコに出会ったその時から長い長い2分間の大冒険が始まります。昭和60年度うつのみやこども賞を受賞している有名な名作品です。
⑧『モモ』ミヒャエル・エンデ
人の話を聞くのが上手な少女・モモ。モモに話を聞いてもらうことで人々の心が溶け込んでいく物語です。時間に関する観念と現実に対する見方が変わる不朽の名作です。
⑨愛蔵版『星の王子さま』サン・テグジュペリ
飛空士である「僕」がサハラ砂漠に不時着し、そこで小さな星からやってきた王子さまと出会います。これまで誰にも理解されることのなかった「僕」の描いた絵を一目で言い当てる王子さまは、「僕」にとってかけがえのない存在になります。愛や絆といった普遍的なテーマを描いているため、読者の心情によってまた別の表情を見せる作品です。
【中学生~】
⑩新装版『ハリー・ポッター文庫』シリーズ J.K.ローリング
11歳の誕生日に孤児ハリーのもとにホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証が入った手紙が届きます。その後ハリーは未知の世界・魔術学校での世界へ入学します。ハリーやその仲間達の成長や魔法に対するわくわく感が楽しめる大ベストセラー新装版です。
⑪『夢をかなえるゾウ』水野敬也
ダメダメな少年のもとに突然現れたゾウの神様・ガネーシャ。なぜか関西弁で話し、甘いものが大好きな大食漢。果たして少年の夢は本当に叶うのか・・・。「夢を叶えたい」「成功を掴み取りたい」などが地道な努力でしか、なし得ないことを改めて教わる本です。
⑫『赤毛のアン』シリーズ/ ルーシー・モード・モンゴメリ
アンが大まじめで引き起こす大騒動が、みんなを幸せにしていく物語です。アンの正直さ、真摯に生きようとする姿勢、そして何よりも、善意に満ちた美しい心に、すっかり引き込まれてしまいます。
【高校生~】
⑬『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語です。リアル感のない、浮遊するような世界観とストーリー展開は現実を忘れたいときのお供として非常に適しています。
⑭『君の膵臓をたべたい』住野よる
余命宣告されたクラスメイトとのかかわりを描いた青春ストーリー且つ、泣ける物語です。読後にきっとこのタイトルの意味を理解し涙します。マンガや映画化もされている有名な作品であり、命や時間の大切さを学ぶことができます。
⑮『一瞬の風になれ』佐藤多佳子
サッカーで挫折した主人公・神谷新二。強豪とは言えない春高陸上部に入部し、周りの天才や他校のライバルと競ったり、同じ陸上部のメンバーと支え合ったりしながら、目標を達成することに奮闘する3年間の物語が描かれています。青春小説の王道的なストーリー展開、仲間やライバルとの関係、瑞々しく初々しい恋愛模様などを詰め込み、爽やかなテイストを楽しめる作品です。
最後に
児童書というと「児童のための本」という認識に偏りがちですが、大人でも楽しめる本はたくさんあります。大人になってから改めて読んでみると、大人と子供では気がつくところが違うように感じたりすることがあります。もし気になる本があれば、ぜひ手にとって読書の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。